退職代行体験談

アルバイトの私が退職代行使ってみた結果

「代わりはいくらでもいる」と言われた私の選択

「アルバイトなんだから、辞めるのは簡単でしょ?」
そんなふうに思われるかもしれません。
でも実際は、アルバイトでも人間関係や雰囲気、立場のしがらみなどで、簡単に辞められないこともあります。
言い出せずに悩み続けたり、我慢して働いてしまう人も少なくありません。
今回は、退職のひと言がどうしても言えず、退職代行を使って職場を離れた江藤真理さん(仮名・30歳)の体験を、インタビュー形式でお届けします。

体験者プロフィール

江藤 真理(えとうまり)さん|30歳・アルバイト

小劇場・照明オペレーター アルバイト(舞台スタッフ)
公演期間中は連日10時間以上立ちっぱなし、休憩は合間の10分程度。
ギャラは公演毎の出来高制で平均時給換算500円未満。
ギャラ交渉で「代わりはいくらでもいる」と言われモチベーション喪失。
次回公演の仕込み前に舞台を降りたいが演出家への連絡が困難。
芸能分野に理解のある代行サービスをネットで探し利用。

エンタメの世界はもう無理だと思った

当時の現場はどんな状況でしたか?

ちょうど公演期間中で、毎日10時間以上立ちっぱなしでした。座る暇なんてなくて、休憩も幕間の10分くらい。水を一口飲んで、すぐ次の準備って感じです。それが毎日続くと、もう身体も心も限界でした。

かなりハードですね…。上司には相談されなかったんですか?

上司っていう存在がそもそも曖昧なんですよね。
一応、演出家が現場をまとめてる感じだったんですけど、いつもピリピリしてて…。相談する時間も空気もなかったです。

なぜ自分で退職を伝えられなかったのでしょうか?

次の公演前に辞めたいと思ってたんですけど、「穴を開けるのは申し訳ない」って気持ちが強くて。
でもギャラ交渉のときに「代わりはいくらでもいる」って言われて…。ああ、「私はただのコマなんだな」って。
その瞬間に、すっと心が冷めてしまいました。

退職代行を知ったきっかけはなんですか?

深夜、自分の部屋でスマホを見ながら「舞台スタッフ 辞めたい」って検索したんです。
そしたら退職代行って出てきて。
最初は「こんなサービス使ってもいいのかな?」って半信半疑でしたけど、心の中では「誰か助けて…」って思ってました。

どんなふうに代行サービスを選びましたか?

舞台とか芸能業界の特殊性を理解してくれそうなところを選びました。
「エンタメ対応OK」と書いてあった業者にLINEで連絡をしてみたら、すぐに丁寧な返信があって。ホッとしたのを覚えてます。

手続きはスムーズでしたか?

はい。LINEのやり取りだけで進みました。
必要な情報を送ると、「では、これで退職の意思をお伝えしますね」と言ってくださって。
その瞬間、ずっと抱えていた不安がスッとほどけて、泣きそうになりました。あのとき、本当に限界だったんだと思います。

会社からは何か言われたりしましたか?

まったくありませんでした。
代行の方がしっかり対応してくれたみたいで、こっちに何の連絡も来ず…。
揉めるのかなって覚悟してたんですけど、逆に何もなくて拍子抜けしましたね(笑)

辞めた後の生活はどう変わりましたか?

今は週に数回、カフェでバイトしてます。
劇場とは違って、お客さんと普通に会話したり、座って休めたりするし、生活リズムも整ってきました。
まだ余裕はないけど、心はだいぶ楽になりました。

後悔はありませんか?

まったくないです。

むしろ、あのまま無理してたら心か体を壊してたと思う。
退職代行を使ったことは、自分を守るための大事な決断でした。

最後に、同じように悩んでいる人へメッセージをお願いします。

アルバイトなのに辞められない」
そんなふうに悩んでいる人は、実はたくさんいます。私もその一人でした。
でも、自分だけで抱え込まずに、誰かに頼ることだって立派な選択です。
退職代行は、そんなときに頼れる存在のひとつだと思います。
限界が来る前に、自分を守ってください。
「逃げるな」なんて言葉に縛られなくていい。
私は「逃げてよかった」と、今は心からそう思っています。

辞められないあなたへ――頼っていいんです

「アルバイトなのに辞められない」
そんな状況に悩んでいるなら、退職代行という手段もあることを知ってほしいと思います。
自分の言葉で伝えられないとき、代わりに動いてくれる人がいるというのは、とても心強いものです。
苦しい気持ちを抱えたまま無理を続ける必要はありません。
自分の人生を守るために、誰かに頼る。それは決して恥ずかしいことではないはずです。

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