嘱託駅員・井上尚樹さんが選んだ前向きな決断
「辞めたいのに言えない」。そんな思いを抱えながら働く人は多くいます。
今回お話を伺った井上尚樹さんもその一人。嘱託社員という立場で、
過酷な勤務環境と上司からの圧力に苦しみながら、
退職の意思すら受け入れてもらえない日々を過ごしていました。
そんな彼が選んだのが「退職代行」という手段でした。
体験を通して、見えた「前向きな退職」のリアルを語っていただきました。
体験者プロフィール
井上尚樹さん(31歳)
地方鉄道会社で嘱託駅員として勤務。
会社再編により乗務職から駅員へ異動。夜勤の激増と労働環境の悪化により喘息が悪化。
上司の圧力で退職もできず、最終的に法的サポート付きの退職代行を利用し、退職を実現。
もう無理…でも辞められなかった。そんな私を助けてくれた「退職代行」
本日は、退職代行を使って退職されたご経験について詳しく伺いたいと思います。
井上さん、よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
正直この経験を人に話すのは少し怖いけど、同じ様に悩んでいる人の力になれたらと思ってお話します。
最初に、前職の仕事内容や職場環境について教えてください。
私は地方鉄道会社で、嘱託社員として駅員をしていました。
もともとは車両の乗務をしていたのですが、会社の再編で駅に異動になりました。
それまでは日勤が多かったのに、駅に移ってから夜勤が倍以上に増えて。
生活リズムがぐちゃぐちゃになって、眠れない日が続きました。
それは大きな変化だったのですね。体調への影響もありましたか?
かなりありましたね。私は喘息を持っているんですが、
駅構内はディーゼルの排気がこもりやすく、空気も悪くて。
マスクをしても咳が止まらなくなって、何度も病院に通いました。
最悪だったのは夜勤中に倒れて救急車で運ばれたことです。
そんな中でも、すぐには辞められなかったんですか?
はい。辞めたいと何度も思いました。でも、上司に相談しても、
「嘱託でここまでやれるのはありがたいと思え」と言われたり、
「辞めたら次はないぞ」と脅されるようなことばかりでした。
退職届を出しても受理されなくて、毎日が本当に地獄のようでした。
その状況は、精神的にも相当きつかったのではないでしょうか?
はい。一番つらかったのは、周囲に相談しても理解されなかったことです。
「もうちょっと頑張れば?」「どこ行っても一緒だよ」と言われることが多くて。
何よりつらかったのは、自分でも「甘えてるのかな」と思ってしまったことです。
倒れて入院したとき、「このままだと本当に壊れる」と思いました。
そのような状況で、どうして退職代行という方法を選ばれたのですか?
自分ではもうどうにもできなくなって、インターネットで「退職 言えない」と検索したのがきっかけでした。
その中で「退職代行」というサービスを見つけて、
法的サポートがあるところを中心に調べました。
正直、最初は怪しいと思いましたが、電話で話した担当者がとても丁寧で。
「もうこれしかない」と思ってお願いしました。
退職代行を使ってみて、どんな印象を持ちましたか?
とにかく安心しました。自分が話すことは何もなく、
すべてのやりとりを代行の担当者がやってくれました。
「辞めたい」と言っても届かなかったのが、
第三者が入ることで、あっさり退職が認められたのが衝撃でした。
手続きもとてもスムーズで、何かトラブルがあった場合の対応も説明してくれました。
退職後の気持ちや生活には、どんな変化がありましたか?
まず、体がラクになったことが一番大きかったです。
夜勤もなくなり、喘息の発作も出なくなりました。
あとは、精神的な重荷がなくなったことで、前向きに物事を考えられるようになりました。
今は地元の配送の仕事をしています。
給与は少し下がりましたが、健康でいられる方が大事です。
退職代行を使うことに、ためらいはなかったのでしょうか?
もちろん最初はありました。「逃げた」と思われるんじゃないか、
「自分で辞められないなんて情けない」と思われるんじゃないかって。
でも、限界を超えてまで我慢することの方が、よっぽど危険だと思います。
いま思えば、自分の命を守るために必要な選択だったと心から思います。
今、「辞めたいけど言えない」と悩んでいる方へ、伝えたいことはありますか?
「自分の気持ちを疑わないでください」と伝えたいです。
毎日苦しいと思っているのに、無理して働く必要はありません。
周りに相談しても解決しないとき、退職代行はちゃんとした選択肢です。
甘えでも逃げでもなく、「自分の人生を取り戻す手段」だと思います。
とても力強い言葉だと感じました。
最後に、退職代行を使うことを迷っている方へ、一言お願いします。
「自分が壊れる前に、一歩踏み出してください」。
私は退職代行のおかげで、今ここで笑って話ができています。
つらい状況の中で自分一人で戦うのは、本当にしんどいことです。
だからこそ、助けてくれる存在があるということを知ってほしいです。
退職代行は、「終わり」ではなく「新しい始まり」のための道具
退職したくても、言い出せずに日々を耐えている人は決して少なくありません。
井上尚樹さんの体験は、まさにそのリアルを映し出しています。
退職代行は、最後の手段ではありません。
自分を守るための一つの選択肢として、もっと知っていい方法です。
「誰にも言えない」「自分が悪いのかも」と思っているあなたにこそ、
井上さんの言葉が届いてほしいと思います。
退職は終わりではなく、新しいスタートです。
そして、退職代行はそのスタートラインに立つための力になってくれます。